mtekscan(1) mtekscan manual
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NAME
mtekscan - driver for MicroTek SCSI scanners
SYNOPSIS (概要)
mtekscan [options]
説明
mtekscan は、MicroTek SCSI スキャナを Linux 上で使用出来るようにするた
めのドライバです。画像をスキャンし、標準出力(または指定したファイル)に
出力するためのコマンドラインのユーティリティです。オリジナルは、
MicroTek ScanMaker E6 用に開発されましたが、他の MicroTek SCSI スキャ
ナでも動作することが確認されています。
今までのところ下記の機種でテストされ動作しています。
ScanMaker II, ScanMaker III, ScanMaker E3,
ScanMaker 35t+, ScanMaker E6,
Adara ImageStar I, Genius ColorPage-SP2, Primax DeskScan Color.
オプション
全てのオプションと引数は、スペースで分離しなければなりません。
'-cpVt' のように結合したオプションの指定はできません。
同じコマンドライン上に互いに排他的なオプション (例えば '-c -g' のよう
な)が指定されると、最後のオプションが前のオプションを上書きします。
(-T と -G オプションに関しては明示的に指定するのでなければ。下記参照)
スキャナのモデルによっては、いくつかのオプションは使えないものがあるの
で注意して下さい。
-o <file>
これが指定されると mtekscan は標準出力の代わりに <file> に出力
します。
-f <x1> <y1> <x2> <y2>
スキャンするフレームを、左上 <x1>,<y1> と右下 <x2>,<y2> の長方
形であると定義します。座標はインチで計測され、原点はスキャンエ
リアの左上の角です。
-r <resolution>
スキャンの解像度を dpi で設定します。
MicroTek のスキャナは、解像度を最大値の 1% または 5% きざみで
設定できるので、最適な値を選択できます。
-b ラインアート(黒と白)のスキャンを選択します。
-a ハーフトーンのスキャンを選択します。原稿は -H オプションで選択
可能なハーフトーンのパターンを使ってディザ処理されます。
-g グレースケールのスキャンを選択します。
-c カラーのスキャンを選択します。
-s <n> シャドウ調整の値(黒レベル)を <n> で設定します。
<n> は 0から255 までの10進数です。
この値と同じかそれ以下の全てのピクセル値は 0にセットされ、残っ
た値が 0から255 の範囲にマッピングされます。
このオプションは、マルチビット・スキャンモード(カラーまたはグ
レースケール)の場合のみ動作します。デフォルト値は、0です。
-l <n> ハイライト調整の値(白レベル)を <n> で設定します。
<n> は 0から255 までの10進数です。
この値と同じかそれ以上の全てのピクセル値は 255にセットされ、
残った値が 0から255 の範囲にマッピングされます。
このオプションは、マルチビット・スキャンモード(カラーまたはグ
レースケール)の場合のみ動作します。デフォルト値は、255です。
-m <n> 中間調の調整値を <n> で設定します。
<n> は 0から255 までの10進数です。
<n> と同じかそれ以上の全てのピクセル値は 128から255の範囲にマ
ッピングされ、<n> 以下の全てのピクセル値は 0から 127 の範囲に
マッピングされます。
このオプションは、マルチビット・スキャンモード(カラーまたはグ
レースケール)の場合のみ動作します。デフォルト値は、128です。
-d <n> [ <n> <n> ]
デジタル輝度調整値を <n> で選択します。
<n> は -100 から 100 までの範囲の10進数です。
このオプションの次に数値が1つだけ指定された場合は全般的な輝
度を決定します。3つの値が指定された場合は赤、緑、青のチャネ
ル輝度調整を個別に決定します。
デフォルト値は、0です。
-e <n> 露光時間の調整(アナログ輝度調整)を <n> で設定します。
<n> は、通常 -18 から 21 までの範囲の10進数です。
(これより高い値を受け付けるスキャナモデルもあります)
この値は、3の倍数でなければならないことに注意して下さい。
そうでない場合は、最も近い値が選択されます。
デフォルト値は、0です。
-k <n> コントラストの調整を <n> で設定します。
<n> は、通常 -42 から 49 までの範囲の10進数です。
(これより高い値を受け付けるスキャナモデルもあります)
この値は、7の倍数でなければならないことに注意して下さい。
そうでない場合は、最も近い値が選択されます。
デフォルト値は、0です。
-G <n> [ <n> <n> ]
ガンマ補正を <n> で設定します。
-G の後に、数値が1つだけ指定された場合は全般的なガンマ補正値で
3つの値が指定された場合は赤、緑、青のチャネルのガンマを個別に
決定します。
デフォルト値は、3つのチャネル全てが 1.0です。
【訳注】
ガンマ補正とは、輝度レベルの入力と出力の関係を設定するもの
です。
1.0 は入力と出力の関係が直線的で
1.01 〜 4.99 だとハーフトーン(中間調)が明るく
0.99 〜 0.01 だと暗くなります。
-T <file>
ガンマ補正テーブルを <file> からロードします。
これを指定すると、-G オプションで指定したガンマの設定は全て上
書きされます。コマンドラインで -G の前に -T オプションが指定さ
れた場合でも、です。
デフォルトでは、ファイルから補正テーブルをロードしません。
-t 透過原稿ユニットがインストールされているときに、透過スキャンニ
ングを選択します。
-n ネガティブスキャンニング(リバースカラー:陰画)を選択します。
-H <n> 組み込み済みのハーフトーンのパターン <n> を選択します。
<n> は、0 から 11 までの範囲の10進数です。
ハーフトーンのパターンは、中間調の画像をスキャンする (-a オプ
ション)際に画像をどのようにディザ処理するかを定義します。
-p プリスキャンモードをイネーブルにします。結果は速く得られます
が精密さに欠けます。
-v <n> スキャン速度を <n> で設定します。
<n> は、1 から 7 までの範囲の10進数です。(大きい値ほどスキャ
ン時間が長くなります) 分割スキャンが必要な場合、大きい値を設定
するほど高画質になります。(下記の -B オプションを参照のこと)
デフォルト値は 1(最も高速)です。
-B スキャンセグメント間のバックトラッキングを禁止します。
汎用 SCSI ドライバの転送バッファが小さすぎる場合、スキャン処理
はいくつかのステップ、またはセグメントに分けられます。
通常、スキャンヘッドは新しいセグメントを開始する前にわずかに後
方に移動します。このスイッチを指定すると、これを禁止できます。
結果は速く得られますが、精密さに欠けます。
-C スキャンの開始時の再調整を禁止します。これはスキャン時間が短く
なりますが画質は少し落ちます。
このオプションを指定すると、スキャナが少なくとも一度も自分自身
でキャリブレートしなかった場合、(例えばスキャナが電源 ON した
ばかりの時) SCSI バスの lock-up を起こすことに注意して下さい。
このオプションを使われる前に、少なくとも一度はスキャンしておか
なければなりません。
-P '-p -C' と同じです。(上をご覧下さい)
-V 冗長モードです。スキャナの設定と動作中の情報が標準出力に書き込
まれます。
-i スキャナによってサポートされているオプションを短いフォーマット
で表示します。最初の値は、原稿サイズと解像度の最大値、および受
け入れ可能なコントラストと露光時間の値です。続いて、スキャナに
よってサポートされているオプションの文字のリストです。
この情報は、グラフィカル・スキャンニング・フロントエンドで使用
するために提供されます。
-I スキャナ内部のデータを長い、人が解読可能なフォーマットで表示し
ます。
-S スキャナのハードウェアのセルフテストをしてから、終了します。
-h mtekscan が受け付けることのできるコマンドライン・オプションの
リストを表示します。
バグ
mtekscan は、カーネルパニック、システムクラッシュ、SCSI バスのロックア
ップ、その他色々の不快なことを本当に起こす可能性があります。
-d オプションの輝度調整で負の値を設定すると、少なくとも ScanMaker E6
では、奇妙な(そして明らかに悪い)結果を招きます。
輝度調整で赤、緑、青のチャネルを異なる値に設定すると、希望した結果には
なりません、しかし全般的な輝度には作用します。
(再度言いますが、少なくともScanMaker E6 では、です)
そして、たぶん 1000 以上のバグがあると思います。
作者
mtekscan は、Copyright (C) 1996, 1997 by Jan Schoenepauck,
<schoenep@uni-wuppertal.de> です。
プログラムのいくつかのパーツは、Torsten Eichner
<eichner@rhrk.uni-kl.de> による Mustek スキャナ用の muscan ドライバか
ら持ってきました。
3パス・スキャナのサポートは、Warwick Allison <warwick@cs.uq.edu.au>
によるパッチにほとんど依存しています。 |